資産除去債務の処理方法と引当金との関係

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先日、資産除去債務について聞かれましたので、
こちらでもシェアしておきます。

資産除去債務は比較的新しい会計基準ですので、
昔簿記の学習をされた方ですとご存知ない方が
いらっしゃるのではないかなと思います。

資産除去債務とは、資産の除却時に係る費用を、
除却時に一遍に出すのではなくて、使用期間に渡って
費用を配分していくものになります。

つまり、資産除去債務は引当金と同じようなものですね。
ただし、仕訳がちょっと特殊ですので、
簡単な例題と共に確認していきましょう。

例)
資産の取得価額:99,000
資産除去債務の見積もり:1,000
実際の除去費用:1,200(現金払い)
当該資産の耐用年数:5年
償却方法:残存価額ゼロの定額法

1.資産除去債務の計上時

(有形固定資産)100,000 (資産除去債務)100,000


本来の資産除去債務は割引後の金額で、
耐用年数に渡って利息費用を足していきますが、
今回の説明では割愛しています。

該当する有形固定資産の取得価額に含めて計上します。
相手勘定は資産除去債務(負債)になります。
なお、この時点では1円も費用になっていません。

2.決算時

(減価償却費)20,000 (減価償却累計額)20,000

該当資産と共に減価償却を行います。
ここで、除去債務1,000÷5=200が
減価償却費として計上されることになります。

3.除却時(耐用年数経過後)

(減価償却累計額)100,000  (有形固定資産)100,000
(資産除去債務)1,000  (現預金)1,200
(除却損)200

除却時に、除却費用が発生しますので、
当該除却費用と資産除去債務をぶつけます。
差額が出た場合は除却損で調整をします。

なお、引当金の場合、先に「○○繰入」という費用を立てますが、
除去債務の場合は、減価償却をしながら費用を立てるイメージですね。
引当金に結びつけると以下のようになります。

便宜上、資産除去債務の金額だけを確認していきます。

例)
資産除去債務1,000、耐用年数5年
利息費用は無視

1.引き当てる額を決めて、それをまずは計上。

(固定資産)1,000  (資産除去債務)1,000  

これは総額を決めているだけで、まだ引き当ててはいない状態です。
ですので、費用には1円も計上されていません。

2.期末に当期の費用を計上(5年間)

(減価償却費)200×5   (減価償却累計額)200×5

これが引当のイメージです。
総額は計上してあるので、相手勘定は資産除去債務ではなく、
減価償却累計額になります。

3.耐用年数経過後に除却(除去費用1,000)

(資産除去債務)1,000  (現預金)1,000

引当事象が発生しましたので、ここで引当金を戻入します。
戻入したことで、費用が発生しません。
ちなみに、費用が出るケースは以下のような場合です。

(除去債務)1,000  (現預金)1,100
(除却損)100

除却時に1,000の費用が出るだろうと考えてそれを引き当て、
実際除却した際に出た費用と戻入額との差額が損益となります。
益の場合は、除却損と相殺すればOKですね。

何となく難しそうな資産除去債務ですが、
実際はただの引当なんだなと思って頂ければ、
理解し易いのではないかと思います。

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