所有権移転リースと所有権移転外リースの判定

投稿日:2015年1月11日 更新日:

リース物件の購入者はあくまで貸手であることから、
その所有権は貸手が有することとなります。
これはリース期間中であってもリース期間終了後であっても同じです。

ファイナンスリースの場合、通常の売買処理と同様に取り扱われます。
ただ、唯一、通常の売買取引と異なる点が所有権の所在です。

一般に、借手はリース期間が終了した場合に所有権を有しないことから、
再度、当該リース物件をリースすることとなります
(「再リース」と言い、再リースは基本的にオペレーティングリースとなります)。

しかし、これではリース料の総額が通常の購入と比較して多くなって
しまうことから、契約において、リース期間終了時にリース物件の
所有権を借手に移転させる条項が付与されているケースがあります。

リース期間終了時に所有権が借手に移転するものを「所有権移転リース」
移転しないものを「所有権移転リース」といいます。

法人税法では、下記要件のいずれかに該当するものが所有権移転リースとなり、
該当しないものを所有権移転外リースとしています(法人税法施行令48条の2⑤)。

①リース物件が無償又は名目的な対価の額で借手に譲渡されるもの
②リース期間終了時又は中途においてリース物件を著しく有利な価額で買い取る権利が与えられているもの(「割安購入権」といいます)
③リース物件の種類、用途等に照らし、その使用可能期間中その借手によってのみ使用されると見込まれるもの又は識別が困難であると認められるもの
④リース期間がリース物件の耐用年数に比して相当短いもの(耐用年数の70%未満)

※会計上の解釈と法人税法上の解釈を照らすと、
法人税法の解釈の方が所有権移転リースの範囲が狭くなっています。
そのためこの記事では、保守主義の観点から法人税法をベースに解説しています。

ここで問題となってくるのは、割安購入権です。
何をもって割安とするのかということですね。

法人税法基本通達7-6の2-2では、
次のいずれかを満たす場合に割安購入権が付与されているものとしています。

①当該リース資産を購入する場合の対価が、定率法により計算した場合の未償却残高相当額に満たないこと(当該未償却残高が取得価額の5%を下回る場合には、当該5%相当額とする)
②未償却残高が5%相当額を超える場合で、公正な市場価額に比し著しく下回ること

原則として、取得価額の5%未満で買取る権利が付与されていれば、
割安購入権があるものとされます。

なお、②の「公正な市場価額」についての定義付けはされていません。
時価を測定することが困難なケースも多いことから、②のケースであれば
割安購入権は付与されていないものとしておいた方が無難かと思います。

また、これは偏見かも知れませんが、基本的に、リース期間終了時に購入権が
与えられている場合、その価格が割安購入額に該当しなければ権利を付与する
意味がないものと考えられますので、「購入権が付与されている=割安購入権付」
になるのかなと思います。

と、ちょっと長くなってしまいましたが、
ファイナンス・リースとなった場合には、
所有権移転リースと所有権移転外リースを判定する必要があり、
判定基準は概ね以下になります。

・リース期間満了後に所有権が移転or割安購入権付 ⇒ 所有権移転リース
・リース期間満了後も所有権は移転しない ⇒ 所有権移転外リース

参考)
リース資産の勘定科目
支払リース料の概要
ファイナンスリースとオペレーティングリースの違い
オペレーティングリースとファイナンスリースの消費税等の取扱い

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